教えて鉄人「仮定法の書き換えが出来ないんです」
そうすると学生は「仮定法イコール過去形」は覚えてくれるのですが、形の書き換えばかりに目が行って、否定を肯定に書き換える部分を忘れてしまう場合が多々あります。
高校2年生のOさんは、真面目な塾生ですが、「仮定法の書き換えが出来ないんです」と最近、私に相談してきました。
「お金があれば、車が買えるのに」と言った場合、これは「お金があれば」というウソの仮定をし、その結果として「車が買えるのに」というウソの推量をすることになります。英語で表すと次のようになります
I do not have money, so I cannot buy a car.
「お金がないので、車を買うことが出来ません」(現実)
If I had money, I could buy a car.
「もしお金があれば、車を買うことが出来るのに」(ウソ)
「仮定法」では、「ウソ」を動詞、助動詞の「過去形」で表しますので、「現実」を表す英文の動詞 have や助動詞 can が、「ウソ」では過去形の had や could に変わっている点に注意する必要があります。
私:仮定法は、得意のはずじゃなかったっけ?
Oさん:ええ、学校の先生にもよく理解しているって、言われるんですけど、書き換え問題になるとダメなんです。
私:ふーん。じゃあ、I do not have money, so I cannot buy a car.「お金がないので、車を買うことが出来ません」という「現実」を著す文を仮定法で、書き換えてごらん。
Oさん:If I did not have money, I could not buy a car. ですよね。
私:違うよ。
Oさん:えー、どうしてですか?「仮定法」は「ウソの話」で、「ウソ」は「過去形」で表すんですよね。
私:理屈はその通りだ。しかも、君の答えはその理屈は満たしている。でも、違うんだ。なるほど、君の問題が分かったよ。
Oさん:えっ、どういうことですか?
私:君は、形の書き換えにこだわりすぎて、意味がお留守になっている。
Oさん:よく分かりません。
私:じゃあ、君が作った If I did not have money, I could not buy a car. を日本語訳してごらんよ。
Oさん:もし、お金を持っていなかったら、車を買うことが出来ないだろう。
私:それは、元の「現実」を表す「お金がないので、車を買うことが出来ない」と裏腹の意味になっているかな?
Oさん:あっ、本当だ、「もしお金を持っていたら、車を買うことが出来るのに」にしなければならなかったんですね。
私:そうさ、君は「裏腹」の意味にするには、否定は肯定、肯定は否定に直すことを忘れていたんだよ。
Oさん:そうだったんだ。でも、形を書き換えていると、どうしても意味まで頭がまわらないんです。ねえ、先生、どうやったら、形ばかりに目が行くクセは治りますか?
私:簡単な事だよ。まず、日本語訳して意味を考えてから、それとは裏腹の内容を日本語で作文してみる。形の書き換えは。その後で行ったら良いじゃあないか。
Oさん:そうか。分かりました。先に日本語訳するよう、心がけます。書き換え問題のパターンにある程度なれてくると、どうしても形だけに目が行き、全く意味を無視した書き換えをしてしまうのは、よくあることです。Oさんに限らず、人間はなかなかいくつものことに注意を払うのは難しいからです。
そんな時は、作業の順番を決めておくのが得策です。私は「英語はコミュニケーションの手段」だと考えていますので、文法中心の書き換え問題であろうと、必ず「日本語訳」して意味を考えることを塾生達に勧めます(もちろん、テクニックが必要な入試問題では例外もありますが)。
鉄人
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